グラフィックスボードはパソコンの表示性能を決める重要な部品です。
普段はあまり気にしないかもしれませんが、パソコンの表示は大きく分けて2Dと3D表示があります。
※2D=2Dimention(二次元)、3D=3Dimention(三次元)

WindowsXPのデスクトップ画面や多くのオフィスソフトの表示は2Dです。
2D処理にはさほどの性能は必要なく、現行のグラフィックスボードであれば性能的にはどれでもまったく問題ありません。

同じ2D表示でもややグラフィックスボードの性能(というより機能)に関係のあるものもあります。
それはDVDムービーなどの動画再生です。DVDムービーも再生するだけなら現行のCPUやグラフィックスボードで性能的には充分ですが、グラフィックスボードのなかには「より綺麗に」再生する機能をもたせたものがあります。
パソコンで動画再生を主に行う場合はこのあたりにこだわるのもよいでしょう。

グラフィックスボードほど「所詮画面表示するだけ」なのに価格がこれほど広範囲にわたる部品は他にないかもしれません。
安いものは3,000円程度から高いものなら8万円程度まであります。この差は主に3Dグラフィックス性能です。
3Dはある空間に立体があると想定し、それに光が当たったり影が出来たりしたときにどのように見えるか?をつど計算して表示します。このため大変な計算能力を必要とします。高性能グラフィックスカードが高額なのはそのためです。
必要な性能はプレイするゲームなどの用途により異なります。
'07年1月30日に発売された新OS WindowsVistaのデスクトップAeroも3D表示になりました。Aeroを使いたい場合はそれなりの3D性能が必要です。

グラフィックス機能には、グラフィックスボードのように単体になっているものと、マザーボード上のチップセットに統合されているものもあります。チップセット統合型グラフィックスは3D性能はさほど高くありませんがトータルで安価に仕上げることが出来ます。
3Dゲームをしないのであれば充分な性能です。
必要な性能と価格のバランスを考慮し最適なモデルを選びたいものです。
目安としては、3Dゲームをするならメインストリーム以上、しないならエントリーまたはチップセット統合型で充分です。
メインストリーム以上での選定は、プレイするゲームタイトルや使用するディスプレイ(解像度)を考慮します。

マザーボードとの接続部分の仕様も年々変化しています。
以前はAGPというスロットが主流でしたが現在はPCI-Express 16xが主流です。両者に互換性はありません。
今後、新規にパソコンを購入する場合はマザーボード、グラフィックスボードともにPCI-Express 16xを選択するとよいでしょう。

一般的なグラフィックスボードはどんなものがあるか見てみましょう。
現在グラフィックスチップメーカーはほぼNVIDIAとATIの2社独占状態です。
実際は商社のチップをボードメーカーが実装した製品を独自に販売しています。そのため同じチップを使っていてもメモリの容量や動作クロック速度、ヒートシンクなどで独自性を出しています。すべて紹介するのは無理があるので代表的な製品を紹介します。
すべてPCI-Express 16xスロット用です。
(2007年2月現在)


NVIDIA
クラス
外観
特徴
NVIDIA社のグラフィックチップの型番の意味は次のようになっています。
・始めの1桁:シリーズ名(世代)を示します。 6>7>8と数字が大きいほど新しいです。現在は8が最新シリーズです。
・2桁目:カテゴリを示します。8または9はハイエンド、6はメインストリーム、1〜3はエントリーモデルです。
・下2桁:基本は00ですが小改良モデルで50がつくことがあります。
・英字:同じチップ内でのグレードを示します。GS>GT/GTS>GTXと右に行くほど高性能です。
メインストリーム以上では同じ製品を2枚使用してSLI構成にすることが可能です。これにより描画性能が向上します。
ハイエンド ●GeForce8800GTX 

NVIDIA社の新シリーズ製品です。2月時点では8万円台半ばです。
従来モデルに比べると圧倒的に高性能ですが、カードが長いためケースを選びます。また消費電力・発熱が多いため電源やケースの冷却性に充分な対応が必要です。

このシリーズで初めてDirectX10に対応しました。これにより、よりリアルな3D画像を表現できるようになります。しかし、この機能を活かすにはWindowsVISTAとDirectXを使いこなした3Dソフト(ゲーム)が必要です。双方が市場に出回るにはまだしばらく時間がかかりそうです。
●GeForce8800GTS

前述GeForce8800GTXの下位モデルです。
コアとメモリの動作クロックをやや低く、メモリ容量を768>640MBにしたモデルです。
価格は6万円台後半です。メモリを320MBにした廉価版もあります。

カード寸法が短くなリ消費電力・発熱がやや 減っているので使いやすくなっています。
●GeForce7900GTX

GeForce8800GTXのひとつ旧世代のハイエンドモデルですがまだまだ現役の最高のパフォーマンスを示します。メモリは512MBと大容量です。高解像度ディスプレイで真価を発揮します。
GeForce7900/7600世代は性能の割りに発熱が少なく、そのため写真のGPUクーラーの場合非常に静かな動作音となります。
●GeForce7950GT

前述GeForce7900GTXの下位モデルです。
コアとメモリの動作クロックをやや低くしたモデルです。メモリは512MBが標準です。
GPUクーラーが小型化され1スロット占有の製品があります。
拡張スロットに余裕がないパソコンで高性能をねらうのに適しています。
●GeForce7900GT

前述GeForce7950GTの下位モデルです。
コアとメモリの動作クロックをやや低くしたモデルです。メモリは256MBとなります。
標準は1スロット占有のGPUクーラーですが写真のように静音クーラー搭載の製品もあります。

●GeForce7900GS

GeForce7900シリーズの最下位モデルです。
コアとメモリの動作クロックはこのカテゴリのなかでもっとも低いですが、256Bitのメモリバス幅や、
多数のシェーダーパイプラインのため、メインストリームモデルとは一線を画した性能です。
価格もメインストリーム最上位7600GTとさほど変わらないためすこし奮発してこれを選択したほうがお徳かもしれません。
消費電力・発熱も少なく非常に使いやすいモデルです。

メインストリーム ●GeForce7600GT

メインストリームの最上位モデルです。
一般的な3DMMORPGや3Dアクションゲームを充分高画質で楽しむことが出来ます。
※ディスプレイは17〜19インチ、解像度は1280x1024程度で想定
●GeForce7600GS

前述GeForce7600GTの下位モデルです。
コアとメモリの動作クロックをやや低くしたモデルです。

リネージュIIクラスの3DMMORPGをそこそこの高画質でプレイするなら最低このクラスの製品をお薦めします。
●GeForce7600GS ファンレス

前述GeForce7600GSのファンレスモデルです。
性能はまったく同じで、ファンをなくし、静音をねらったものです。
このあたりから下の製品は発熱がすくないのでファンレスも可能です。
しかし、グラフィックスボード単品では冷却ができないのでケース内のエアフローに注意が必要です。
エントリー ●GeForce7300GT

エントリークラスの最上位モデルです。
このモデルは実は7600シリーズのコアをつかっているためエントリーモデルとは思えない3D性能を発揮します。
価格も安くお買い得ではありますが3Dゲームをメインに楽しむには力不足です。
Webブラウズなど2D用とがメインで3Dゲームはたまに軽くたのしむという方に最適です。
●GeForce7300GS

エントリークラスの主力モデルです。
3D性能は高くないのでゲームには向きません。
ゲームはやらないが、WindowsVistaのAeroインターフェースは使いたいという方におすすめです。

ロープロファイル製品が多く、スリムケースでも使えます。
●GeForce7100GS

エントリークラスの下位モデルです。
3D性能は高くないのでゲームには向きません。
ゲームはやらないが、WindowsVistaのAeroインターフェースは使いたいという方におすすめです。

ロープロファイル製品が多く、この場合はスリムケースでも使えます。


AMD+ATI
クラス
外観
特徴
昨年(2006年)7月にIntelと並ぶCPUメーカーAMD社がATI社を買収しましたが、便宜上以降ATI社と表記します。
ATI社のグラフィックチップの型番の意味は次のようになっています。
・始めの文字Xは現状は固定です。将来新シリーズで変更があるかもしれません。
・始めの1桁:シリーズ名(世代)を示します。 現在は1が最新シリーズです。
・2桁目:カテゴリを示します。8または9はハイエンド、6はメインストリーム、1〜5はエントリーモデルです。
・下2桁:基本は00ですが小改良モデルで50がつくことがあります。現時点ではほとんどのモデルがX1*50になっています。
・英字:同じチップ内でのグレードを示します。GT>Pro>XT>XTXと右に行くほど高性能です。
NVIDIAでは「GT」は上位を示し、ATIでは下位を示します。ライバル意識でしょうか?おもしろいですね。
一部モデルではCFモデルと組み合わせることによりCrossFire構成にすることが可能です。これにより描画性能が向上します。
ハイエンド ●RADEON X1950XTX

ハイエンドの最上位モデルです。
コンシューマー製品としては史上初のDDR4メモリ(512MB)を搭載しています。
NVIDIA社のGeForce7900GTXのライバルですが、NVIDIA社が8800シリーズをだしてしまったのでやや影が薄くなりつつあります。
春に出るという噂の次世代モデル「RADEON X2800?シリーズ」に期待しましょう。

●RADEON X1950Pro
前述RADEON X1950XTXの下位モデルです。
NVIDIA GeForce7900GSまたは同GTのライバルです。
コアとメモリの動作クロックをやや低くし、シェーダーユニットを削減したモデルです。メモリは256MBが標準です。
GPUクーラーが小型化され1スロット占有の製品もあります。

●RADEON X1950GT
前述RADEON X1950Proの下位モデルです。
NVIDIA GeForce7900GSのライバルです。
コアとメモリの動作クロックをやや低くしたモデルです。メモリは256MBが標準です。
メインストリーム
●RADEON X1650XT

NVIDIA GeForce7600GTのライバルです。

●RADEON X1650Pro

NVIDIA GeForce7600GSのライバルです。

エントリー ●RADEON X1550

NVIDIA GeForce7300GSまたは同GTのライバルです。
●RADEON X1300XT

NVIDIA GeForce7300GTのライバルです。
●RADEON X1300Pro

NVIDIA GeForce7100GSのライバルです。
●RADEON X1050

NVIDIA GeForce7100GSのライバルです。


製品選択のポイント
性能 ●用途、プレイする3Dゲームタイトル、ディスプレイ解像度を考慮して必要かつ充分な性能のものを選びましょう。
・コア:種類によって基本性能が決まります。ピクセルパイプライン・シェーダーユニット・ROPユニットの数が多いほうが高性能です。
・コアクロック:同じコアであればコアクロックが高いほうが高性能です。標準仕様より高いクロックで動作する製品もあります。
・メモリ:メモリクロックが高いほうが高性能です。メモリバス幅も多いほうが高性能です。
・メモリ種類:メモリクロックとも関連しますがDDR2、DDR3、DDR4などの種類があります。一般に右に行くほど高性能です。
 おなじコアでもことなるメモリを搭載した製品があります。(例:GeForce7600GS DDR2/256MBとGeForce7600GS DDR3/256MB)
 製品選定のときに注意しましょう
・メモリ容量:高解像度のときは容量が多いほうが高性能になることがあります。
接続 ●接続するディスプレイやテレビのインターフェースを考慮して選びましょう。
・DVI-I:液晶ディスプレイでもDVIコネクタ搭載製品が増え、現在主流となってきたコネクタです。1個のコネクタにデジタル信号とアナロ
  グ信号が入っています。アダプタ(通常は製品に付属)を使用すればディスプレイのD-Sub15pinに接続できます。
・D-Sub15in:従来主流だったアナログ接続のコネクタです。標準インターフェース的位置づけなのでディスプレイ側からこれがなくなるこ
  とは当面はないと思われます。
・S端子、コンポーネント:テレビに接続するコネクタです。DVIにパソコン用ディスプレイ、S端子に大画面テレビを接続し、大画面TVで
  DVDムービーなどを楽しむといった使い方が多いでしょうか。アナログなので画質はさほど高くありません。
・HDMI:デジタル画像信号に音声信号を加えたインターフェースです。ディスプレイ側にもこのコネクタが必要です。現時点ではさほど普及していません。
動画 ●動画を楽しむのであればこの機能も確認しておきましょう。
・Purevideo:NVIDIA社のグラフィックスチップを採用した製品に搭載された機能です。動画品質を高める機能です。
・Avivo:ATI社のグラフィックスチップを採用した製品に搭載された機能です。動画品質を高める機能です。
 液晶テレビに接続したときの解像度設定が容易などの特徴があります。
・ボードメーカーが独自に搭載した動画品質を高める機能もあります。(例:ASUS社のSplendid)
・HDCP:著作権保護されたデジタル動画を再生するのに必要な機能です。ディスプレイ側も対応が必要です。
冷却 ●CPU並に発熱するようになった昨今のグラフィックスボードでは冷却も重要なファクターです。
・1スロット、2スロット:一般的に1スロットより2スロット占有タイプの方が冷却性能が高いまたは静音です。発熱の少ないエントリーモデ
  ルでは通常は1スロットです。2スロットタイプの場合他の拡張ボードを追加する場所がひとつ減ります。
・静音ファン:標準モデルとは異なる静音タイプを搭載した製品もあります。
・ファンレス:メインストリーム以下のモデルでは多数ラインアップされています。ボード自身では冷却できないのでケースのエアフローが重要です。
電源
●メインストリーム以上の製品では補助電源を必要とするものがあります。
GeForce8800GTXはPCI-Express用補助電源を2個も使用します。充分な容量をもった電源が必要です。